ほていさんの覚書

自分なりの視点で世界を切り取りたい

マダガスカル一人歩き#5バオバブ並木

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(バオバブの間に太陽が沈んでいく) 

 

 

そもそも、今回「マダガスカルに行く!!」と決めた最大の目的は

 

 

 

バオバブの木が見たい!!」

 

 

 

純粋に、この動機のみ。

#3、#4で、付録のように別の目的地を紹介していますが、

本当の目的は、このバオバブ並木でした。

 

 

 

 

でも、出発前にそのことを友人に話したら、

↓このニュースを教えられ、とても衝撃を受けました。

 

www.bbc.com

 

マダガスカルバオバブの木も倒れていたらどうしよう・・・と

はるばるマダガスカルまで行って、バオバブの倒木を見て帰ってくるなんて

悲しすぎる・・・と。

 

 

 

でも、心配は無用でした。

 

 

ちゃんと、バオバブ並木、ありました。

期待通りの眺めを見せてくれました。

 

 

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 (バオバブ並木に行く途中にある、「双子のバオバブ」と自転車タクシー)

 

 

 

自分の撮影技術では、このバオバブの美しさを十分に映しきれないのがもどかしい。

それでもやっぱり、自分の目で見て感じる風景は、何物にも代えがたいなぁと思います。

 

 

絶景ビューのおすすめ時間は、

サンセットとサンライズ

真っ赤な太陽が、バオバブの間に沈んでいく様子は本当に美しかったです!!

空の色が、刻々と変わっていって、

綺麗なグラデーションを映し出します。

 

 

夕日がまぶしくて、目が疲れてくるんだけれど、

この空の色の変化に目を奪われて、片時も目が離せない時間が続きます。

 

 

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(オレンジ、薄紫、グレー、日没直前の空はとても神秘的です) 

 

 

何枚写真に撮っても飽きない、そんな絶景です。

 

 

自前のドローンを飛ばして空撮している旅行客もいました。

・・・羨ましい。私もやってみたかった。

 

 

 

ただ今回、残念だったのは、

サンライズバオバブが天候不良で、いまいちだったこと。

ガイドさん曰く、10年以上ガイドをしていて、こんな天気は初めてだとか。

 

 

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(朝の6時ごろ、霧に覆われたバオバブ並木)

 

 

霧が深く立ち込めて、太陽が白く陰ってしまいました。

本当なら、このサンライズバオバブでも

真っ赤に燃える太陽が地平線から登ってきて

バオバブを美しく照らす画が撮れたはずなのですが・・・

 

2日間挑戦してみたけど、両方とも霧に阻まれてしまいました。

んー、心残りです。

 

 

 

試しにググった画像をつけてみます・・・

 

 

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あー、やっぱりこれもみたかった!!

 

 

自然現象の前には、人間は全くもって無力です・・・。

 

 

ま、朝靄の中のバオバブというレアケースを見られたということで

これはこれで、良しとしなければいけませんね。

 

 

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 (日の出の様子、ぼんやりとした光線でいまいち気迫が感じられません・・・)

 

 

 

このバオバブ並木は、「並木」と名前がつくように

道の両側にイイ感じにバオバブの大木が並んでいます。

それが、フォトジェニックで、世界中の旅人を惹きつけているのだと思うのですが、

 

 

この道はれっきとした「国道」なんです。

だから当然、観光客の車だけではなくて、

輸送用の大型トラックや地元民のバイク、自転車も普通に走っています。

 

 

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(奥:輸送用の大型トラック 手前:地元の人たち)

 

 

 

だから、この並木道の途中で車が停車することはできません。

夕暮れ時に停車しようものなら、見学に来ている観光客からブーイングが

浴びせられます。

観光客は手前の駐車場で降りて、この周辺を散策しながら写真撮影をします。

 

 

当然、国道の両側にある「バオバブ並木」なので、

とくに入場料等もありません。

駐車場代でおそらくいくらかの料金は発生していると思うのですが、

基本的にこのバオバブ並木を見ることは「無料」ということになります。

 

 

 

旅行客にとって、これはこれで、とてもお得でありがたいことなんだけれど、

この観光資源を持っている地元の人たちがもう少しその恩恵にあずかることが

できないのだろうか、と考えてしまいました。

 

 

 

というのも、このバオバブ並木の周辺の村人たちの暮らしは

まるで潤っているようには見えなかったからです。

かやぶき屋根に土壁の家に住んでいて、

子供たちは、キャンディーを求めて観光客に群がってきます。

学校にもきちんと通えず、身に着けている服や靴も本当に粗末なものです。

 

 

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 (キャンディーをあげたので、元気いっぱいに写真撮影に応じてくれた子供たち)

 

 

 

世界中から観光客が訪れ、

このバオバブ並木の景色に魅了されて幸せな気持ちで満たされているのに、

その観光資源を持っている地元の人たちには

何のメリットも生じてないように見えることが

私はとてもショックでした。

 

 

これは、マダガスカルのみに限ったことではないのかもしれませんが、

自分一人の力では如何ともしがたい、世界の不均衡を思わずにはいられませんでした。

 

 

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 (サンセットを撮影する観光客、ピーク時は、この広場がもっと人で埋め尽くされるらしい)

 

 

せめて、乾季の観光シーズン、観光客からいくらばかりの入場料などをとって、

周辺に住む農民たちが少しでも人間らしい暮らしができるように

還元できたらいいのに、と単純に思ってしまいました。

 

 

 

私が、サンライズバオバブに訪れていた時、

ちょうど、バオバブ並木の木の根元に、夜間ライトアップ用の配線が

完成していました。

日没後の暗闇をライトアップで照らして

また違う景観を楽しんでもらうためでしょう。

ガイドさんは、「自然の光が一番きれいだ」と

あまり、ライトアップのバオバブには興味がなさそうでしたが・・・(笑)

 

 

ガイドさんによると、このバオバブ並木の周辺も

つい半年前までは、キャンプをして夜間もここで過ごすことができたそうですが、

最近では、治安の悪化から絶対にできないということでした。

日没と同時にみんな、それぞれのホテルに引き上げていくそうです。

 

 

「星空とバオバブ

確かに、テントを張って、夜空を見上げながら

このバオバブ並木を見るのもとてもロマンチックだっただろうなぁと思うと、

ここ数か月の治安の悪化がとても深刻なものに思われて、悲しくなりました。

 

 

その景色が見れなかったことではなく、

この先、さらに治安の悪化が進んだら、

この辺りに住む村人たちは、どうなってしまうんだろうという、悲しさです。

 

 

 

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バオバブ並木、本当にきれいでした。

 

だから、この先もずっとこの眺めを見せてほしい。

 

倒れたりしないでほしい。

 

そして、世界中の人を魅了し続けてほしい。

 

そして、このバオバブの木のことを地元の人たちが誇りに思って

 

大事に守りながら、管理していって

 

地元の人たちも、幸せになってほしい。

 

そんなことを考えていました。