マダガスカル一人歩き#3パルマリウムリザーブ
(ホテルの入り口)
おそらく、今回の旅行で一番満足度が高い場所だったと思います。
これはもう、伊藤博文さんに大感謝です!!
そもそも、パルマリウムリザーブとは?
東京ディズニーランドとほぼ同じ広さのプライベートリゾートです。
宿泊用ロッジが約20棟、その周りをキツネザルたちが生息している森が囲んでいます。
というよりも、
キツネザルたちがいる森の中に、ロッジをつくったっていう方が近いです。
小さいですが、白い砂浜のビーチもあります。
つまり、ここはホテルの従業員と、旅行客しかいない孤島のような場所です。
俗世から隔絶されて、キツネザルたちの楽園に迷い込むようなイメージです。
(左側に日中観察できるキツネザルの種類、右側に夜間観察できるキツネザルの種類が書かれています。 )
日中は、園内にいるキツネザルたちが餌にありつこうと
ロッジの周りをフラフラと散歩しに来たりします。
ホテルスタッフ達が餌付けをしているので、
キツネザルたちは人間を怖がりません。
でも、決して攻撃をしたりもしません。
ほどよい距離感で触れ合うことができます。
でも、意外にも「地球の歩き方」でこのパルマリウムリザーブを探してみると・・・
そこまで大きく紹介されていないんです。
ようやく見つけたのが、p.172下のコラム欄
そこに、控えめな掲載でこのパルマリウムリザーブが紹介されています。
こんなに魅力的な場所なのに、どうして?と思わずにはいられませんでした。
おそらくこれは、パルマリウムの立地が原因だと思います。
首都のアンタナナリボからだと、最低1泊2日は必要です。
[http://]
私の場合、初日にアンタナナリボから車で3時間、
アンダシベというところまで行き、そこで1泊、
翌日、観光を含めて陸路+水路、8時間かけてようやくたどり着きました。
まさに秘境というのにふさわしい立地です。
(ボートで約1時間、この風景の運河を走ります。)
この立地がゆえに、普通、日本人観光客はここをツアーに組み込まないのだとか。
ヨーロッパ人を中心に何週間もかけて休暇を楽しめる部類の人たちが
のんびりと、この地を訪れるのが常らしいです。
今回私の場合は、2週間という、若干余裕のある滞在日数があったので、
伊藤さんもここを推してくれたのだと思います。
実際、私が滞在していた間、日本人観光客はゼロ。
アジア圏に広げてみても、シンガポールからのカップルが1組のみでした。
後は、ヨーロッパ系の観光客ばかりでした。
パルマリウムの魅力~その①~
様々な種類のキツネザルと触れ合うことができる。
餌付けをしたり、写真を撮ったり、話しかけたり(笑)
(この桟橋が島への入り口。海ではなく人口湖です。)
朝食の時間帯には、キツネザルたちが人間の残したフルーツをくすねてやろうと
あちこちから「跳んで」きます。
そうなんです、カフェテラスにいながら、
キツネザルたちの華麗なジャンプを見ることができます。
けれども、感動して、気を抜くと、彼らの思うツボです。
したたかなキツネザルたちは、人間が食べているフルーツが欲しいのです。
「写真、写真!!」と夢中になっていると、あっけなく彼らの餌食になってしまいます。
私はこれで、まんまと、パイナップルの皮をもっていかれました。(笑)
(カフェテラスの柱にしがみつき、私のテーブルまで軽々ジャンプ!目線はパイナップルにしっかりと固定されています。)
そして、朝食が終わると、今度は園内の散策ツアーがあります。
ホテルのスタッフに引率してもらって、キツネザルを探しに行きます。
といっても、キツネザルたちは、スタッフをちゃんと認識しているので、
私たちが散策ツアーを始めると、どこからともなく集まってきます。
スタッフは腰からバナナ袋を提げていて、
キツネザルたちはそれをもらおうと必死なのです。
うまく言語化できないのが残念ですが、
スタッフはキツネザルを呼ぶときに、独特の声を発していました。
鳴き声の真似をしているようでもあり、
別のシグナル音のようでもあり、とても不思議だったのですが、
キツネザルたちにはちゃんと伝わっていて、
それを聞いたキツネザルたちが少しずつ集まってくるのです。
まるで、会話をしているみたいで、感動しました。
午前中、2時間の散策ですが、私の場合、5種類のキツネザル、カメレオン一匹、
リクガメ、数種類の鳥を見ることができました。
ホテルのスタッフが必ず同行してくれるので、
キツネザルに遭遇できないということもありません。
シャッターチャンスもつくってくれるし、
バナナを分けてくれて、私に餌をやらせてくれもしました。
森の中を歩きながら、「あ、いた!」と
宝探しのようにキツネザルたちを発見できる感動が、
童心にかえるようで夢中になれました。
(ホテルのスタッフとクロキツネザル。姿勢がシンクロしてる(笑))
日本語のガイドに聞いて、もう一つ驚いたのは、
スタッフたちは、キツネザルたちの顔を見ると、
どの群れの誰だかちゃんと把握できるということです。
研究用の動物ではないので、名前はついていないそうなのですが。
なんかカッコイイ!!と思ってしまいました。(笑)
夕方には、ボートで別の敷地に移動して、
夜行性のアイアイを見学しに行くことができます。
人口の明かりが何もない湖をホテル専用のボートで移動し、
アイアイ観察ポイントまで案内してもらいます。
これもホテルのスタッフがしっかりとエスコートしてくれるので、
はずれることはありません。
アイアイの大好きなヤシの実を木にセットしておき、
私たちは、息を潜めてアイアイがやってくるのを待ちます。
ここでも、やっぱり、キツネザルは人間になれているのか、
ほどなくして、暗闇からアイアイが姿を現します。
スタッフが持っているライトでアイアイの周辺を照らしてくれるので、
写真撮影も全く問題ありません。
アイアイもその明かりで逃げ出すこともなく、
夢中でヤシの実を食べている姿をほんの2~3メートルほどの距離で
見ることができます。
時間を忘れて魅入ってしまいます。
そして、空には南半球の満天の星空。
その光の粒の多さに、感動と同時に背筋がぞくぞくする怖さを感じました。
とにかく、圧倒されます。すごいです。
朝と夜、こんな感じでキツネザルざんまいで過ごすことができます。
パルマリウムの魅力~その②~
アットホームなおもてなし
スタッフや地元の人たちとの優しい距離感
(キツネザル散策ツアーの時間帯、カフェテラス前に集合です)
ホテルのスタッフはみんな、敷地に隣接する村で実際に生活しています。
社宅とか社員寮とかそういうイメージではなく、本当に『村』『集落』です。
地方からこのリゾートで働くために家族でやってきて、定住している、
そういう場所があります。
(集落の中の家)
実際、キツネザルの散策以外にも、この集落を訪ねるツアーもあります。
地元の人たちのリアルな生活の様子をスタッフと一緒に訪ねることができます。
なので、滞在中、常に同じ顔触れのスタッフが私をお世話してくれます。
3食の食事のお世話から、日中の散策ツアー、その他諸々の対応を
同じメンバーがしてくれます。
私の場合は、ローランドさん、上の写真に映っている彼でした。
普通のホテルよりも、スタッフとの交流が多いので、
当然、複数日滞在していると、だんだん親近感がわいてきます。
私は、日本語ガイドを通じてしかコミュニケーションがとれなかったので
とても残念な思いですが、もし、言葉が不自由なければ、
もっと地元の人たちと仲良くなって、より滞在が楽しめたと思います。
ホテルのスタッフだけではなくて、
敷地内では、新しいロッジや施設を作っている作業員の人たちも大勢います。
ここ数年の人気を受けて、宿泊棟を増設しているようでした。
これも、みんな村人たちなのです。
とてもユニークだと思いました。
仕事が終わると、みんな歩いて村に帰っていくのです。
通勤、徒歩15分といったところでしょうか・・・。
(通勤路)
だから、みんなとても気さくで、アットホームな印象を受けました。
散策中に私たちとすれ違うと、みんな必ず
「サラーム」(※マダガスカル語でこんにちは)
と声をかけていってくれました。
(右がローランドさん、左は別棟のメンテナンススタッフ、彼は往復8キロの距離を徒歩で毎日通勤しています。)
サービス精神旺盛というよりも、素朴で温かいところが
私はちょうどいいなぁと思いました。
パルマリウムの魅力~その③~
選択肢のない心地よさ、くつろぎ
穏やかな時間を取り戻すことができる
(ロッジから見える日の出)
最初にも書いた通り、ここはホテルの従業員と旅行客しかいない孤島です。
この島でできることは、
園内の散策(キツネザル、固有生物、固有植物、集落)
ビーチで遊ぶ(やろうと思えば・・・)
これだけです。
「リゾート」だから、
プールがあって、
スパがあって、
ラウンジがあって、
バーがあって
ちょっとしたセレブ感を味わえる場所なんでしょ?
とイメージするかもしれませんが、残念ながらそうじゃないです。
ちなみに、ロッジの設備も
テレビ→なし
電気→自家発電(※10:00~17:00は使えない、ドライヤーも使えない)
Wi-Fi→なし
ミニバーや呈茶セット→なし
アメニティー→石鹸、トイレットペーパー、タオル大小のみ
エアコン、扇風機→なし
当然、売店、お土産屋さんもないです。
(ロッジ内の様子、ゆったりとした広さで、小綺麗で居心地よいです。)
というような感じで、キャンプ場の山小屋といった方が近いかもしれません。
だから、やれることが限られているんです。
というよりも、いかに最近の旅行は、あれもこれもと欲張って、忙しく
詰め込んで時間を消費しているのか、ということに気づきました。
ここでは、やることが限られていて、選択肢がない。
でも逆に、その選択肢のなさが、気楽でいい。
そんな気持ちになりました。
(朝日が差し込むロッジのテラス)
朝、のんびりと起きて、やんちゃなキツネザルを見ながら朝食を食べる。
午前中、ローカルガイドと園内を散策して、キツネザルと戯れる。
昼食をのんびり食べてからお昼寝。
午後の散策では、地元の集落を訪れる。
夕食までの時間は、ロッジのテラスで読書。
散歩しに来たキツネザルに話しかける。(笑)
写真スポットを探しに一人で敷地をふらふらするのもいい気分転換。
夜行性のアイアイを見に行ったり、星空観察をしたりしてロッジに戻る。
以上
これ以外にやることがないんです。
とてもゆっくりと時間が流れていくようで、心地よかったです。
ネットやテレビを手放すだけで、手元の時間がこんなにも増えるんだと驚きました。
大好きな本があったら、もういうことなしです。
とても贅沢な気持ちになりました。
(食事は抜群です!!3日間、毎日メニューが変わり、十分楽しめました。昼と夜は必ず前菜+メイン+デザートの3コースです。※ビールはマダガスカル産のThree Horse Beer)
まとめ ~こんな人にお勧め~
思い出すにつれて、また旅行中の幸福感が蘇ってきてしまい、
予想外の長文になってしまいました。
1) マダガスカル旅行全体の日程に比較的余裕がある、またはリピーター
3) ちょっとの不便をがまんできる(電気、Wi-Fi、お湯など)
4) 「無」の時間が苦痛じゃない
5) ハエ、アリ、アブあまり気にしない
一人旅でなく、当然、家族旅行、カップル旅行なら
全く別の楽しみに方ができると思います。
キツネザルとたくさん戯れて、たくさん写真を撮って、
きっと忘れられない時間になると思います。
マダガスカル旅行を考え中の方はぜひ一度検討してみては?
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。